お客様からよくいただく質問や疑問点などをまとめました。
シルクスクリーン版画とはどういうものなのですか?
木やアルミの枠に生地を張り、感光乳剤(紫外線で硬化する特殊剤)を塗布し版を作ります。透明フィルムに光を通さないペンで描き、版に密着させ紫外線をあてます。
その後版を水で洗い流すと、ペンで描いた部分は乳剤が流れ落ちて穴があき(孔部分)、他は硬化してインクを通さない面として残ります。版の下に紙を置き、上からインクをのせヘラで描いたイメージを刷り出します。
版画というと、つい最近まで主流はリトグラフと呼ばれる技法でした。これは、石灰石を版として用いる技法です。以前は欧州を中心に発展し、世界各国で見られました。現在でもフランスアートなどで使われている技法ではありますが、その主流はすでにシルクスクリーンに移っております。シルクスクリーンの方が、耐刷性に優れているため多く刷ることができ、また刷り重ねがしやすいのでたくさんの色数が使えるのです。それにより幅広い絵画的表現ができ、インクのムラも少なく、発色が良いのが最大の特徴です。
シルクスクリーン版画を作るのは難しいの?
皆さんが、当社作品のようなシルクスクリーン版画を作ろうと思っても、当然のことながら、それを制作するのは不可能です。
例えば、Tシャツなどに印刷をしたいと思う程度のものであれば、プリントごっこの要領で制作すれば(もちろん費用と時間と労力を惜しまないことが前提ですが)、シルクを使って制作をすることも可能でしょう。しかし、プロの仕事とはまったく別のものであることは言うまでもありません。シルクスクリーン版画として、それを商品化する場合は、そのようなプリントごっこ程度のものとは全く別のものと考えていただかなければなりません。専門の技術をもった者が数人(工房の大きさにもよりますが、技術者は1つの工房で5人から10人位おります)で制作しても、1ヶ月に1作も作品はできません。作品によっては1作1年がかりのものもあるほど難しいものなのです。
その違いを理解してもらうのに簡単な例を挙げて見ましょう。例えば、料理を作ることを考えてください。フランス料理を自分で作って食べるのとお店で食べるのでは同じ食材を使っても値段も味も全く違うものになりますよね。
また、シルクスクリーン版画の技術者自身、日本でも数えるほどしかおりませんから、シルクスクリーン版画を制作できる工房も日本ではほとんど無い状態なのです。
以上の説明でシルクスクリーン版画の制作がどれほど困難かご理解いただけるでしょう。
制作費用はどれくらいかかるの?
制作費用と一概に言われても難しいものがありますので、次にいくつかに分けて説明いたします。
①シルクスクリーン版画を制作するための準備にかかる費用について
シルクスクリーン版画を刷るのには、機械だけでも億単位の金額がかかります。そのほかにも設備を整えなければなりませんから、そこに数千万円のプラスがあって初めて、シルクスクリーン版画を商品として制作する準備ができます。
②実際に稼動する際の費用について
準備が整うと、次に制作をする段階に入ります。そこにかかる費用は次のとおりです。
● | インクやシルク(化学繊維含む)等の消耗品 |
● | 人件費 |
人件費も、シルクスクリーン版画の専門スタッフが数人がかりで制作活動を行っております。専門のスタッフとは、まさにプロの職人なのです。シルクスクリーン版画を刷ることのできるプロの職人は日本でも数えるほどしかおりません。
そうしたスタッフの作業になりますのでその人件費も想像していただければ理解に難しくは無いでしょう。 |
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● | 家賃、光熱費等 |
当たり前のことですが、家賃や光熱費もかかります。家賃も機械等の設備を整えられる面積が必要ですから、どこのシルクスクリーン制作会社でもかなりの金額になっているはずです。 |
作品がインターネット上で安く買えるようなのですが、なぜですか?
インターネットで取引されているものは、俗に言う中古品ということになります。もちろん絵画なので、中古と言う表現は適切ではないかもしれません。しかし、一度人手に渡ったものであり、どのような経緯をたどったかもわからないものでもありますので、少なくとも古物商の認可が無ければなりません。もちろん、インターネットでこうした中古品を扱う会社も古物商の免許を持っていなければ違法行為ということになります。自動車で言えば無免許運転をしているのと一緒ですね。
中古品売買に関して言いますと、インターネットという媒体を使った場合、元手がほとんどかからないというメリットがあります。店舗も無ければ、人もほとんど必要ない。確かに経費面は最高かと思われますが、お客様がその作品を直に見ることができないのも事実です。例えば、粗悪品、偽物、贋作などであっても、そのクレームに応じてもらえるのかどうかといえば、疑問です。それが修繕、修復となるとなおのことです。おそらく、応じてもらえることはないでしょう。また、場合によっては、架空の作品が売買され、入金後にその販売会社(販売人)が消えてしまうことも考えられます。
ちなみに新品は全て弊社を通した正規代理店でのみ販売されております。もちろん弊社では全国各地にショールームを置いております。作家との契約から始まり、版画制作、額装、販売と全て弊社スタッフの厳しい監視の下に行っております。万が一、何か問題があっても、修理、修復、修繕はもとより、作品に取り返しがつかない問題があった場合にも、版画であれば交換等の対応をすることができます。中古品の販売会社にはそれは不可能なことでしょう。
新品と中古品、どちらを買うか迷っています。
新品と中古品について、ここでは有名時計のロレックスを例にとってお話をしましょう。
例えばあなたが大切な方の誕生日に、ロレックスの時計をプレゼントするとします。そのときに果たして中古で買ったものや、偽物をプレゼントするでしょうか?もしかしたら価値観の問題が出てくるかもしれませんが、中古でかまわないという方、偽物でかまわないという方はそれほど多くはないでしょう。つまり一般的に考えた場合、新品のものを正規に買ってプレゼントしたいと思うのではないでしょうか。
例えば、新品と中古、どちらが良いか、次を見て考えてみてください。
正規代理店でショーケースに並べられているロレックスの時計と、本物か偽物かも分からない中古品としてショーケースに並べられているロレックスの時計。
きちんとロレックスの証明書がついている時計と、出所も分からず証明の無い時計や証明書が本物か偽物かも分からない時計。
もちろん、経済的に難しい場合は別なのかもしれませんが、ロレックスの時計を持つことのできる経済力がある方でしたら、普通ならどちらを選ぶでしょうか。答えは、いたってシンプルだと思います。
弊社では全ての作品に対して、創業以来、信頼と実績を誇る、当社の社判の入った作品証明書がついております。作品に何か問題があった場合、迅速な対応ができるよう心がけております。もちろんクレームに対しても、お客様相談室がありますので安心して買い物ができるシステムがそろっております。
作品を買う場合には、販売経路がしっかりとしているお店、一番はもちろん新品を正規に販売しているお店から買うのが一番でしょう。
自分の作品のシルクスクリーン版画、全てに作家が目を通すって本当?
本当です。
作家の先生はシルクスクリーン版画1点1点に目を通しております。制作の初期段階から、最終段階まで携わり、最後にすべての作品のチェックをもう1度して、その上で、エディションナンバーを入れ、サインをするのです。もちろん、シルクスクリーン版画の作品代と言うものが、作家の先生には支払われますので、中途半端なことはしません。かなり細かにチェックをされておりますので、みなさんが見たらびっくりするでしょう。
もちろん、いつでも作家の先生には当社のスタッフがついてお手伝いをしておりますが、そんな先生方の手伝いをしているスタッフは、その仕事の熱心さに舌をまいているほどなのです。
上記説明を見ていただければ分かると思いますが、だからこそ、私どもは自信を持って全ての作品を先生が見ていると言えるのです。
額が立派に見えるけど、どれくらいのものが付いているの?
当社の作品には全て額が付いております。その額は、もしもお客様がご自分で額を付けたいと思い額装をすると5万円~10万円ほどかかります。
この額を、当社ではグループ会社に委託。大量生産することによりコストを削減し、現在では額装代金も、3万円~5万円という価格で制作してもらっております。
当社では、額も作品の一部であると考えており、お客様に飾っていただいた時には、お部屋のインテリアの一部になるよう最高の額を提供させていただいているのです。それだけの額を付けているのですから、額が立派に見えるのは不思議ではないですよね。
シルクスクリーン版画のチェックは作家だけがしているの?
作家だけではありません。
シルクスクリーンが出来上がると、まず最初に、制作したスタッフによって色ムラや色の飛び散り等のチェックがなされます。続いてそれを、作品の担当部署の者がチェックします。そこで認められたものを今度は当社役員がチェックをし、最後にやっと作家の先生にチェックをしていただくのです。
これだけのチェックが入りますので、例えば150枚の作品を制作したとしても、50枚位は、はじかれてしまいます。それほど厳しいものなのです。
こうして4重のチェックをかいくぐったもののみが市場に出回るのです。